先発時とリリーフ時の投球スタイルの比較?


まぁ元々は先発エースとリリーフエースの違いを調べようとしたんですが、あまりにも普通すぎるので少し一ひねりしてみました。
今回調べてみたのは、同じ投手が主に先発として出場したときとリリーフ(中継ぎ)として出場したときの投球内容がどう違うのか?ってことです。

調査対象として利用したデータはこじきろ様より引用しました。
選考基準は、1996〜2004年の間において、主に先発として出場した年と主にリリーフとして出場した年がある投手です。
・先発投手として:先発試合数10試合以上かつ、先発試合割合70%以上
・リリーフとして:登板試合数35試合以上かつ、先発試合割合25%以下
上記において、該当する年が複数年に及ぶ場合は基本的にRSAAが一番良かった年を使用します。
この条件に当てはまる投手は34人いました。
それでは先発時とリリーフ時にわけ、いくつかの指標を比較してみましょう。(有意水準5%の対応あるt検定にて)

防御率

平均防御率 標準偏差
先発 3.55 0.73
リリーフ 3.05 1.06

箱ひげ図(箱ひげ図についてはこちらを参照)


先発時とリリーフ時ではリリーフ時の方が防御率はいい結果となりました。が、先発時とリリーフ時には相関はありませんでした。
また、ピンチになればすぐ次の投手に交代できるリリーフと、交代がしにくい先発では防御率を比較してもあまり意味はないと思われます。
まぁ一応載せてみました。

奪三振率

平均奪三振率 標準偏差
先発 6.23 1.42
リリーフ 7.7 1.99
箱ひげ図

予想通り、リリーフ時の方が奪三振率は高いといえます。2つの相関係数は0.5、相関があるといえるでしょう。


与四死球率

平均与四死球率 標準偏差
先発 3.05 1.09
リリーフ 3.03 1.27
箱ひげ図

若干リリーフの方が分散していますが、見事なくらい平均・中央値に差が出ませんでした。
相関係数は0.4、弱いですがギリギリあるといえるレベルでしょうか。なお、故意四球は除いてあります。

被出塁率

平均被出塁率 標準偏差
先発 0.312 0.024
リリーフ 0.297 0.043
箱ひげ図

平均に差がある結果となりました。対戦打者数の差や故意四球の影響も多少なりあるのかリリーフの方が大きくばらけています。
相関係数は0.34、わずかに相関があるようです。平均に差があるのは、リリーフの方が奪三振率が高いからと思われます。

被本塁打率

平均被本塁打率 標準偏差
先発 1.05 0.3
リリーフ 0.83 0.33
箱ひげ図

被本塁打率の平均に差がある結果となりました。一部リリーフに外れ値がありますが・・・(ちなみに門倉です)。
ただし相関はないという結果にもなりました。

まとめ

まず上の結果から言えることは、リリーフ時は先発時に比べ、三振をとるピッチングを行い
本塁打を打たれないようにしているということです。
与四死球率に変化がないことから、ピッチャーの意図しない投球には変化がないということもわかりました。

先発時とリリーフ時に能力に大きな差がないと仮定すると要因として下記のようなことが考えられます。
 ・先発は失点を抑える他にも試合を作るという目的があるため。ある程度長いイニングを投げる必要があり、
  多少なりヒットになる可能性があっても球数の抑えられる打たせてとる投球をリリーフより心掛けている。
 ・反対にリリーフは先発より失点を抑える必要性が高い場面が多いのでヒットになりえない三振でのアウトをとるようにしている。
  結果としてホームランを打たれる要素も少なくなる。
リリーフでは先発よりペース配分を気にする必要性が薄く、短イニングに全力投球ができるので
大きく投球スタイルを変えているのでしょうね。
キャッチャーのリードもそれぞれに応じて変えているものと思われます。ただし、ここら辺は推論が入っています。
一打者あたりの球数などのデータがあればもう少し検証できるのですが如何せんデータがないからなぁ。

以上から、リリーフと先発は内容にもよりますが同じ基準(指標)で比較するのは不適当であるということがわかりました。
キャッチャーのリードや投球スタイルの変化で同じ投手でも成績は結構変わります。
まぁ当たり前といえば当たり前のことがわかっただけなんですけども。

これからの課題としては、リリーフの種類(中継ぎ・敗戦処理・抑えなど)によりどのような差があるのか、などを検討したいです。
あと時間があればPFを考慮した被本塁打率も詳しく調べてみたいです。

ちなみにこれらの結果は、ここには載せていませんが同一人物ではない単純なリリーフピッチャーと
先発投手の比較でもほぼ同様の結果が出ています。
無論ここからわかるのは、リリーフの方が奪三振率や被本塁打率が先発より良いという事実だけであり、
奪三振率が高いからリリーフに向いているというわけではありません。
ここに書いてある以外の要素の方が良いリリーフの条件として大きそうですし。

以上です。いやー他の皆様の分析よりレベルの低い分析だなぁ。精進しなければ。